右手にはワインを、左手にはビールを。- そそぐTV -

食の世界に魅せられて。美味しい料理やお酒が好きなアラサーです。 「食のエンターテイメント」を、皆さんと共有出来たら良いなと思います。

失ったときめきを取り戻せる魔法のお店~カフェ中野屋~

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本日は知る人ぞ知る「カフェ中野屋」へ行った。町田という、東京なのか神奈川なのかよく分からないことで有名なあの場所にその店はある。

苦労話を交えつつ、開店前から長蛇の列になるほど話題のカフェの、秘密に迫る

はじまりはキラキラ女子のひとこと

そもそも今回の事のはじまりは、1年前からカフェ中野屋へ行きたかったという、それはそれはかわいこちゃんな友人に、「こりらむちゃん、パフェのために並ぶのとか、そういうの嫌……?」と問われ、特に考えず、いいよ~!と返事をしたことからカフェ行きが決定した。私は知らなかったのだが、この場所は数々のブログでも絶賛されるほどパフェが有名とのこと。

kinarino.jp

なるほどこのブログを読むと、随分と芸術的なパフェが並んでいる。こういうので並んじゃうなんて、私もいっぱしのキラキラ女子じゃないのっ、なんて、普段キラキラしてない系は鼻息を荒くして誇らしげに思うのだが、正直それは甘かった。

なにが甘かったって、覚悟がね、もう甘々だったよね。

AM9:00 町田駅待ち合わせ

友人と朝9時に町田駅で待ち合わせ。そのカフェの最寄り出口は、小田急線南口という、わりとマイナーどころだった。階段を上がると、すでに彼女が到着していた。人通りもまばらな日曜日の朝、私たちはカフェ中野屋へ向かった。

5分程度歩いただろうか、赤の色調の店、カフェ中野屋が見えてきた。入口にはすでに二組並んでいる。私たちは三組目の客というわけだ。とりあえず到着して、久しぶりに会う彼女と近況話に花を咲かせる。アラサー女子ともなれば、恋愛や結婚の話題が上がらないなんてことはないだろう。例に漏れず私たちも最近どう?なんて朝っぱらから話し始めていた。

この時は、まだわからなかった。これから始まる過酷な時間に。

AM11:00 開店

話が途切れた頃、ふと時計を見ると午前9:50。そういや開店時間はいつなんだ?と思い彼女に問いかける。人気のカフェだということは知っていたので、少し並ぶだろうということは承知していた。彼女の答えは「11時だよ」。

じ、じゅういちじ……

まじか。私たちは2時間前から並んでいるのか。今日は晴れているとはいえ気温はまだ10度だって超えてない。当たり前のように、手足がかじかんで動かなくなってきた。寒い。鼻水出る。

意識するともう止まらない。必死に寒さをごまかした。ぱふぇぱふぇパフェ。そうよ私はキラキラパフェ女子よ。

そんな呪文を唱えながらふと自分の後ろを振り返ると、ゆうに50人は並んでいた。うおっ、いつの間にそんな並んでたのよ。気づかなかったよ。橋の向こうまで並んでるじゃないのよ。ほとんどが女性、ときどきカップルという感じ。

試練は等しく訪れる。頑張ろう、と鼻水をすすりながらもうひと待ちしたところで11時になった。ついに開店だ。

ちなみに、すでに誰をどこに通すかというのは、スタッフ間ですでに決まっているようで、水やお手拭きもすでに通されたときには置かれていた。さすが人気店だ。

 

ここはパフェだけではなく、うどんも置いている。うどんとパフェのセットは200円引きになるらしく、凍えきっていた私たちはそのように頼むことにした。ちなみにメニューを撮ってはいけないので撮らなかったが、どれも非常に長い名前で、料理の写真がなく(おそらく敢えてだろう)、すべて想像してオーダーするという面白い方法をとっていた。

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柔らかい国産豚の角煮と旬野菜のうどん・柚子のコンフィ乗せをオーダー。

ボウルや箸置きは人によって異なる食器を使っていた。これだけでこだわりを感じずにはいられない。平ためのオシャレな陶器の食器。これはちょっと冷めやすいかもしれないと思ったので、早めにいただくことにした。

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角煮をかじると非常にジューシーな豚の味わいが口に広がる。濃すぎない味付けだが、そもそも素材が良さそうだな、と思わせる品の良い美味しさ。

また、野菜は全て焼き野菜だった。菜の花・カリフラワー・ブロッコリ・いんげん・なす・パプリカ・かぼちゃなど、沢山の野菜が入っていた。これは女性が嬉しいやつだ。焼き野菜なのでより甘みを感じられた。柚子のコンフィをつゆに溶かして、それをすすりきった。優しい味わいのうどんであった。これで800円くらいだったか。正直値段以上だと感じた。

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さてさて、本日のメインはとにかくパフェである。キラキラパフェ女子として、どれにしよっかしらんと悩みながらオーダー。

店員さんが持ってきたのは芸術品だった。

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これは友人オーダーの、苺とイチゴのソルベ・ストロベリーマルメラータとシチリア産ピスタチオムースのいちごづくしパフェフレジェ風

名前からもういちごいちごいちご~~~~~と、イチゴの国のお姫様がいたら毎日食べてそうな感じ満載のこのパフェは、筒状のグラスにイチゴを横に敷き詰め、薄若緑色のピスタチオムースが。表面には薄桃色の粉砂糖がまぶされており、若々しいピスタチオと、オレンジ色の食用花、そしてピンク色のマカロン。

なんてかわいらしいのかしらとなけなしの乙女心もきゅんきゅんした。食べ進めていくと、中にはイチゴ味のソルベ。ピスタチオのムースでまろやかだった口の中が一気に甘酸っぱい味わいに。最初の見た目だけではわからなかったが、このパフェ、非常に考えられている。

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お次は、マルティニック産のラム酒のクリームと貴腐ワイン漬けのレーズン・濃厚なバニラとフランボワーズの大人な、ある意味フルーツパフェである。もちろんこれは酒好きの私がオーダーしたものだ。金色のグラスに入っているのはラム酒。少しずつかけて食べてくださいね、とのことだった。

上にはマカロンと色とりどりのフルーツ。キウイにバナナ、オレンジにイチゴ。ラム酒のクリームをはさんで長方形のグラスの中に見えるのは、バニラアイスとフランボワーズのソルベ。他にもスポンジケーキやシナモンのクッキーが入っている。何だろう、この宝箱というか、宝石箱を開けるみたいなときめき

 クリームはふんわりラム酒の風味。甘酸っぱいフルーツを合わせても、中のクッキーやアイスと合わせても美味しい。ケーキ生地にラム酒を吸わせてクリームと一緒にぱくっといったり、色んな楽しみ方をした。貴腐ワインに漬けたレーズンを頬張った時の贅沢さといったら、とても言葉では表せない、非常に上品な味わい。見た目もさることながら、味の完成度が高すぎる。これで1200円だったと思う。

失ったときめきも取り戻せるお店

最初に非常に苦労して寒い寒いと並んだカフェ中野屋。パフェを食べ終わるころにはそんな苦労なんかどこかへ吹き飛んでしまった。これは、本当並んででも一度は食べに行っていいと思えるお店だった。キラキラ女子体験エヘヘウフフーーなんて浮かれていた自分も、真面目にこれはすごい、と感心しきりになってしまった。

食事をしていて、こんなにときめく瞬間ってあるだろうか。このお店は、ときめきの世界を売っている。まず見た目できゅん。食べ進めていってはじめてわかる作り手の工夫にきゅん。食べ終わってああ~おわっちゃった~……という切なさのきゅん

この店は、非日常を売っている。そんな体験をしたくなったら、少し苦労はするかもしれないが、行ってみることをお勧めする。色々なメニューに想像力をはたらかせながら、楽しんでほしい。

licocha.hatenablog.com

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